中国共産党は国民党を「政府継承」したのか? 戦時復仇と通州事件との関連で

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14106152544
chelmon2008さん
『質問文云々は、「中国国民党兵士の大量処断については【中国共産党】には関係の無い話になります」という点を指しているのでしょうが、「政府継承」「政府承認」という用語を知っていますか?国際公法を勉強されることをお勧めします。』

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12112429817
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『中華人民共和国は、国際社会から中華民国の後継国家である、と見なされており、これは我が国も同意している事です。(中華民国を承認する一部の国家を除く)
これを否定する人間が「国際法」について偉そうな発言をするのは、何かのギャグですか?』


彼らは、中国共産党が国民党を継承した、だから国民党の兵士を大量に処断したことについて中国共産党は日本を非難し続けることができる、と言いたいようです。

さて、本当でしょうか?

以下、私の見解です。
彼らの主張が認められるための必要条件は、国民党の戦争犯罪に関する権利義務を中国共産党(中華人民共和国政府)が継承したことが証明されることです。

中華人民共和国政府(中国共産党)は「一つの中国」原則を主張し、二重承認を絶対に認めない立場を取っています。中華人民共和国政府がそのような主張をするのは自由ですが、それはいったいどういう意味なのでしょうか?

中華人民共和国が国連に加盟し常任理事国になったのは、1971年10月25日「アルバニア決議」ですが、その際、中華民国は「決議に抗議する形で、中華民国は国連を脱退した」のです。常任理事国としての地位は失ったとしても加盟国として残る選択肢はあったのです。むしろ、中華人民共和国が中華民国の代わりに常任理事国になったことが承認できないから国連を脱退したのです。ですから、決して「中華人民共和国」に吸収されたわけではないのです。

このことから、中国共産党が国民党の権利義務を包括的に承継した、とは決して言えません。

常識で考えてもらいたいんですが、シナ大陸での覇権を争っていた中国共産党と国民党は敵同士でした。シナ事変当時は日本と国民党とを戦わせることが中国共産党の戦略でした。
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n14697

ですから、中国共産党にとっての「南京事件」はむしろ歓迎すべき事であったことは明白です。事実、毛沢東はこのように発言しています。

*****
昭和39年、社会党の佐々木委員長に「中国国民に多大の損害をもたらして申し訳ない」と挨拶されて、毛沢東『何も申し訳なく思うことはありませんよ。日本軍国主義は中国に大きな利益をもたらしました。中国国民に権利を奪取させてくれたではないですか。皆さん、皇軍の力無しには我々が権利を奪うことは不可能だったでしょう。』(『毛沢東思想万歳』(下))
鄧小平『日本は中国を助けたことになっている。…日本が蒋介石を重慶まで押し下げてくれたので、我々は日本軍の占領地域の後方に広がった。…皆さんだけを責めるのは不公平だと思う。』(『中国との友好交流20年の感想』三岡健次郎)
*****

現在の中国共産党は、当然これらの見解も継承しているわけです。南京攻防戦により国民党軍が重慶にまで押し下げられたという利益も継承しているのです。

結局、「国民党が承認しなくても、中国共産党にとって損害が無かっただけでなくむしろ恩恵を受けた「幕府山事件」について、中国共産党が勝手に国民党を継承宣言すれば70年経過した現在も批難し続けられるんだ」と自分勝手を言っているだけだということになります。

そんなムシのよすぎる話が認められないことは常識で考えても分かりそうなものですけどね。古今東西、戦闘中に敵兵士(国民党兵士)を大量処刑したことについて処刑した第3国(日本)を批難する権利を、その当時の敵(中国共産党)が継承した、と言う事例が存在したというのならばぜひとも教えてもらいたいものです。

そもそも論になりますが、

『戦争犯罪は、それを実行した個人が責任を問われるというのが原則であり、軍隊構成員という国家機関の行為でも、責任は国家に帰属せずに個人責任が問われるのが常である。』(佐藤和男氏『南京事件と戦時国際法』
このとおり、中国兵の大量処断が「戦争犯罪」であったとしても、その責任は国家に帰属しないことは国際法学者が認めるところです。

さらに、アムネスティ条項により戦犯が免責されるのは国際法の常識です。戦犯に対する責任追及の権利を継承したと主張するのなら、サンフランシスコ講和条約(1952年)や日中友好条約(1978年)を否定するつもりでしょうか?
http://1st.geocities.jp/nmwgip/SF11.html
日本と国民党政府とは日華平和条約(1952年)を締結しているので、両国間の戦犯は免責されています。もうすでに免責されている罪に関する権利義務を、いったいいつ中国共産党は継承したのでしょうか?(爆

『中国関係の既決、未決の囚人(巣鴨に送還せられていた者も含み)は28年8月5日の日華平和条約の発効とともに全部釈放された。蒋介石が「暴に酬ゆるに徳をもってす」と宣言したのはこのときである。』(清瀬一郎「秘録東京裁判」より)
※日華平和条約の発効は昭和27年の間違いかと思われる。

本当にばかばかしいですね。

つまり中国共産党が南京事件について日本政府を批難し続ける国際法上の根拠はありません。

実際は「戦争犯罪」が成立するどころか、未成熟な慣習法ですら満たしていたのです。
http://nomorepropaganda.blog39.fc2.com/blog-entry-871.html
松井大将は不法行為を厳禁した「南京城攻略要領」を隷下の部隊へ示達したわけですし。

にもかかわらず、国民党が戦犯の責任を追及する権利を中国共産党が継承した、というのなら、その法的根拠を示さなければなりません。それをせずにこんな横暴がまかり通るのであれば、「シナ人が無辜の日本人を大量虐殺した通州事件」について、日本政府が中華人民共和国を批難し続けても良いことになります。

信義誠実の原則です。一方にだけ厳しく罰則を適用し、一方には全く適用しない、なんて言うのはもはや「法」ではありません。

***

chelmon2008さん
『冀東政権は中華民国の一部であっても自治政府ですので、日本が政府承認している限り、その管轄下で発生した自国民被害については冀東政権に求めるものであって、国民政府軍に求めるのは筋違いとなります。』

ですから、冀東防共自治政府が損害賠償しましたよ。損害賠償したら「文句ないだろ?」というのであれば、日中友好条約で過去の問題は解決済みなのだから、中国共産党には「文句ないだろ?」と言わせていただきます。

国民政府軍に求めているというよりも、むしろあなた方か主張なさっている「継承国の中華人民共和国」に対して、と言った方が適切でしょうね。大陸を統一したわけですし(笑

「解決済み」と言っても、通州事件の後も、廊坊事件、広安門事件、大山事件、そして第二次上海事変と、日本を挑発し続けていました。
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n14697

兵藤二十八(軍学者) 別冊正論Extra.08より
『それにしても、1932年の第一次上海事変の停戦協定で「陣地や軍事施設を相互に建設してはならない」と取り決めた中立地帯にどんどんトーチカを築いてしまったのですから、シナ人の「契約軽視」思想は恐るべきものです。外国軍の近くで塹壕を掘るという行為がどのくらい挑発的なものか、現代人はわからなくなっています。』

中国軍の偽装投降の事例
http://1st.geocities.jp/nmwgip/nanking/Giso.html#b

『民間人3000人以上の死傷者が出た事に対し、国民党政府は遺憾の意を表明した。』
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n14697

このとおり、「戦時復仇」の対象は通州事件だけではないのです。

「戦時復仇」が国際法学者の認めるところであることは私がこれまで説明してきたとおりです。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14105335839
国民党側の数々の不法行為をまったく批判しないで日本側の「戦時復仇」すら認めないというのなら、いったい戦時国際法遵守を何が担保するのでしょうか?戦時国際法の遵守などばからしくてやってられませんね。

ようするに、それぞれの論点で自分の都合の良いようにルールを曲げている「二重基準」、中国共産党のお家芸なのです。

***

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12102446222
donpltdonplttさん
『日本政府は台湾の国民党政権など存在せず。中国共産党政府を、唯一の中国(台湾を含めた)の正統政権と認めていますけど。。。。。。。。。。。。』

日中共同声明の事をおっしゃっておられますが、1937年から中国共産党政府しか存在しなかった、と宣言したのならそういう論法も検討する価値があるかもしれませんが、南京攻防戦において日本軍と戦ったのは国民党軍であり、その国民党軍は台湾に逃れたのです。国民党はその後も中国共産党に吸収されていないことはすでに述べた通りです。

日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明から抜粋
・日本国政府は、中華人民共和国政府(共産党政権)が中国の唯一の合法政府であることを承認する。
中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。


このとおり、日本国政府は共産党政権が「中国唯一の合法政府」だと承認したけれども、台湾にも非合法をふくめて政府があることまで否定したわけではありません。
さらに、台湾が中華人民共和国の領土であることは、中国が表明したのであって、それに対して日本国政府は「日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。」にとどめたわけです。

国民党政府が日本に対して持つ戦犯に対する責任追求権を中国共産党が継承した、という内容は見当たりません。
(そもそも戦犯なんてすでに存在しませんでしたが)

それどころか、

・中華人民共和国政府は、中日両国国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言する。

こんなことが書いてあります。過去のことは清算済みですよ。カネの話をしさえしなければ過去のことを蒸し返しても良いとでも言いますか?(嘲笑

そもそも、その論法であれば、冀東保安隊のしでかしたことも中国共産党政府が責任を継承したことになりますね。シナ大陸の唯一の合法政府だ、ということなのですから、当然冀東政権の権利義務も継承したのでしょう(笑

***

chelmon2008さん
『また、通州事件は7月に発生しており、その後、6ヶ月間の時日経過と日本側から相手国への正規の申し入れがない以上、違法行為の停止を求めるための復仇の要件(違法性阻却事由)を満たすか疑問です。』

「違法行為の停止を求めるための復仇の要件」とはどの国際法学者が主張しているのでしょうか?

日本側からの降伏勧告を無視した国民党側から「申し入れがなかった」などと言えるはずがありませんね。日本側は復仇を目的としていたのではなく、降伏を目的としていたのです。国民党側は「降伏勧告を無視した」のです。

あなたのいう「要件」が何を根拠にしているのか明らかにしていただきたいですね。できなければ「自分ルール」ってことになりますよ。

***

chelmon2008さん
『しかし、当時の中支那派遣軍にそのような考えはありませんでした。現実は、大量の投降兵の扱いに困って処刑したのであって、佐藤説のように後から理屈を考えても、史実としてはあまり意味がないことと思われます。』

あとから合法だという理屈を考えてはいけないとは、一体何を根拠におっしゃるのでしょうか?あとから違法だというのがダメなのは「事後法」という近代法の基本原理から自明ですけどね。
あとから「違法だ」と言われたから、あとから「合法だ」と言わなければいけなくなったことすら理解していない様子ですね。

罪刑法定主義を勉強してくださいね(ヤレヤレ

***

chelmon2008さん
『投降兵の大量処刑の事案が華北・華中のいずれでも少なからずあったことからすれば、陸軍中央及び現地軍の方針として、当初よりヘーグ条約の準用基準に満たない理由での投降兵処刑を認めていたことは間違いないと考えます。』

いったい何を根拠に、「当初よりヘーグ条約の準用基準に満たない理由での投降兵処刑を認めていたことは間違いないと考えます。」などとおっしゃるのでしょうか?不法殺害だというのなら、どの行為がどの国際法に違反していたのか個別具体的に明示していただかないと議論はかみ合いませんよ。

***

参考)佐藤和男氏『南京事件と戦時国際法』より
『戦争犯罪は、それを実行した個人が責任を問われるというのが原則であり、軍隊構成員という国家機関の行為でも、責任は国家に帰属せずに個人責任が問われるのが常である。』

幕府山事件と「審問なき処罰の禁止」について~戦時国際法上合法説
http://nomorepropaganda.blog39.fc2.com/blog-entry-871.html

通州事件その他で「戦時復仇」は成立するか?

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アテナイ人諸君、こういう噂を撒きちらした、こういう連中がつまりわたしを訴えている手ごわい連中なのです。
そして、その連中というのは、嫉妬にかられて、中傷のために、諸君をあざむくような話をしていたわけなのであって、かれらのうちには、自分でもすっかりそう信じこんで、それを他人に説いているような者もあるわけなのですが、いずれもみな厄介至極な連中なのです。

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