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皇室には氏なしの意義~日本の皇室に #易姓革命 は起こらない~田中卓教授の解説 #女性宮家

 男系固執派のもっとも問題視し、強く憂慮するのは、女系の場合、その皇婿に当たるお方が、民間(仮に甲氏とする)から選ばれた場合、その後次第に皇婿の氏が勢力をもって甲王朝が成立する可能性が大きいという点である。そしてこの場合は、いわば易姓革命にあたり、二千年の皇統の変革となり国体の破壊に繋がるというのである。しかしそれは全くの杞憂である。なぜなら、皇室には氏が無く、皇室に入られた方はその時点で同時に氏(甲氏)が消えるのであるから、甲王朝など生ずるわけが無い。
 この点、国史の碩学黒板勝美博士も「国史の研究」の中で次のように述べられている。
『皇室の絶対であらせられるを示すものは実は氏姓が無いという事実でも証明せられる。故にもし閥族が起って皇室と国民との間に介在すればわが国家は衰えてくるのであり、之を打破せんとするのが、また実に国民の精神となって現れているのである、それが六百年の武家政治の殻を破って明治維新の大業をなし得るに至った所以でもある。』
(「姓」についての解釈は時代により複雑なので以下は省略し現代風に「氏」のみに改めて叙述する)
 この”皇室に氏なし”ということが何故重要かというと、日本国家の成立史上で氏の発生する時期は未だ明確ではないが、私は三世紀頃と推定している。それまでは各地方に”小さなクニ”(地域)が散在していたであろうが、その場合、域内の各個人には何らかの氏名がついていても、その首長は”キミ”(君・公)のみを通称とし、氏は無かった。無くても通用したからである(例えば一つの教室において教師を呼ぶのに「○○先生」と○○の氏名をつけなくても「先生」だけで通用するのと同じである。大和のミワ地方で「大神神社」と書いて「ミワ神社」と読むのと同様で”大神”といえば三輪山に鎮座される神に決まっていたからである。)しかし”小さなクニ”が次第に統合されて大規模になると、その”小さなクニ”の首長も氏が無いと呼び分けられなくなる。これらの大豪族の氏(出雲氏物部氏など)は、そのようにして自然に発生ないし彼らを統一した大首長から賜与されたのである。ところが統一した側の大首長のみは、当然氏姓が無くともオオキミ(大公・大君)で通る。これがのちの「天皇」であるから、皇室に氏なし、ということになるのである。これを不思議に思ったのがシナの随の王、文帝である。隋書の倭国伝によると、開皇20年(600)の条に「倭王あり、姓は阿毎(あめ)、字は多利思比弧(たりしひこ)」と見えるが、これは日本の神代史に「天……」という神名が多いので、彼の側で「天」(阿毎)をシナの「姓」と誤解したのであろう。面白い話ではないか。それ故、皇室に氏が無いということは、わが国で氏の発生する以前から天皇が大首長であったことの証明となり、日本国体の比類無き光輝である。
 尤も現代は、いかなる民間人でも、皇室に入ると皇家同様に氏が消えるといってもなかなか理解しにくいと思われる。そこで既述の『皇統譜』で幕末の数代の天皇の場合の実例を確認してみよう。
「後桃園院天皇」の条---「女御 維子」
「光格天皇」の条---「中宮 欣子内親王」
「仁孝天皇」の条---「女御 祺子」
「孝明天皇」の条---「女御 夙子」
とあって、「女御」「中宮」として外から入られたお方の出生の氏はどこにも書かれていない(女性ばかりだが、男性は従来例を見ないのでやむを得ない。しかし道理としては男女平等に考えても差し支えあるまい)。”天皇に私なし”とよく言われるが、この場合は”皇家に氏なし”ということなのである。現代風に言えば個人の戸籍が消えて”無”(零)になるのである。それをさらにわかりやすくいえば、結婚を男女の”掛け算”とみた場合、皇室を零と考えればよい。女系のお相手がA氏でもB氏でも氏が消えるというのは”拾”でも”百”でも”零”を掛ければ皆”零”になるのと同じ論理である。皇室という無限の天地”無の世界”に吸い込まれると考えれば理解しやすいであろう。”易姓革命”というが、皇室にはもともと”氏姓”がないのだから易えられようがないではないか。ただA氏B氏の氏が消えるだけのことだ。シナの易姓革命とは次元も概念も異にする。
(わしズムvol.30「女系天皇公認の歴史的正当性」田中卓皇學館大学名誉教授)
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