そぐわぬ公務員論 識者の主張、あっさり否定

2012.10.6 08:18
女性皇族の婚姻後のあり方をめぐり5日公表された論点整理は、当初から政府が想定していた「女性宮家創設案」のほか、有識者ヒアリングで誰も唱えなかった「国家公務員案」を独自に打ち出した。一方で、ジャーナリストの櫻井よしこ氏ら複数の有識者が賛意を示した「尊称保持案」は「憲法上、実施困難」とあっさり否定している。いったい何のためのヒアリングだったのか疑念が残る。

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 唐突に示された国家公務員案は、女性皇族が結婚により皇室を離れた後、国家公務員となり公的な立場で皇室活動に関わる方策だ。政府は「全くの私人では公費による支援が難しい」と理由を説明するが、皇族と国家公務員という身分・立場は必ずしもそぐわない。

 「皇室活動を外から助けることのできる公的な任務と待遇を明確にすることは、現実的に意味があるとの発言があった」

 藤村修官房長官は5日の記者会見で、第6回ヒアリングで所功・京都産業大名誉教授が述べた言葉を引いてこう指摘した。だが、所氏は産経新聞の取材に「国家公務員は決して私のイメージではない。国家公務員となれば逆に、(宗教色の濃い)神宮祭主などできなくなる」と語った。

所氏はヒアリングで「公的な任務と待遇」の内容を問われ、「例えば伊勢神宮の祭主はずっと元内親王が続けてこられた。皇室を出られた方々がおできになることはいろいろある」と述べている。藤村氏は趣旨をすり替えていないか。

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 ヒアリングでは、櫻井氏のほか百地章・日本大教授や市村真一・京都大名誉教授らが「内親王」「女王」などの尊称保持案に賛同したにもかかわらず、論点整理はこれを「法の下の平等を定めた憲法14条に抵触しかねない」「皇族という特別な身分をあいまいにする疑念がある」と否定した。

 もともと皇族は選挙権・被選挙権を行使できず、政治的活動や営利事業も認められていない。戸籍は持たない一方で住民税は支払わなくてはならないなど、初めから一般国民とは異なる例外的存在として扱われてきた。

 そのような現状は容認しながら、婚姻後のあり方については急に「法の下の平等」を振りかざすことには違和感を覚える。婚姻後は国家公務員となることは、「皇族という特別な身分」とどう結びつくのか。

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 さらに、戦後、皇籍離脱を余儀なくされた旧11宮家の復帰についても、複数の有識者が検討を求めたにもかかわらず、「皇位継承資格の議論につながる」として検討対象としなかった。

 政府が今回の女性宮家創設をめぐる議論では「皇位継承のあり方に触れないことを大前提とする」としてきたためだ。もっとも女性宮家創設の議論そのものが皇室伝統の大転換である「女系天皇」容認への道を開きかねず、皇位継承問題を抜きにして議論することはそもそも難しい。

 本質論を避けた議論を続けても、説得力のある結論にはなかなかたどり着けそうもない。(阿比留瑠比、力武崇樹)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121006/plc12100608200006-n1.htm
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