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リフレ政策は貨幣数量理論が前提~中長期的には必ず成立している貨幣数量理論

すなわちデフレ局面において、中央銀行が投資家に将来におけるデフレ解消の期待を抱かせることに成功(予想インフレ率の上昇)して初めて、株価の上昇を起点としたデフレ解消プロセスが始まる。そのため、中央銀行がどんなに通貨供給量を拡大させてもそれが予想インフレ率の上昇に結びつかなければ、マクロ経済に対して効果を持ち得ない。したがって、中長期的に「通貨量とインフレ率の比例的な関係が成立しない」ということは、金融政策の無効性を証明するものではなく、中央銀行による金融政策が資産市場での期待形成(もしくは適正な予想インフレ率の誘導)に失敗している、すなわち、中央銀行がデフレ解消にコミットしてないことに他ならないと考える。

貨幣数量理論の「パラドックス」
「デフレ解消には金融政策が割り当てられるべきである」、とする考え方は、金融政策を起点として経済に供給される通貨供給量(マネーサプライ)がインフレ率と比例的な関係にあるとする「貨幣数量理論(貨幣数量説)」を前提にしている。
金融緩和政策によって、通貨供給量が増え、これにほぼ比例してインフレ率の上昇がもたらされるというのが「貨幣数量理論」の基本的な考え方だが、「金融政策無効論」者は、①中央銀行による金融緩和によって、通貨供給量が増えるとは限らない、②通貨供給量がある程度増加しても、かつての両者の関係ほどインフレ率が上昇しない、ことをもって、金融政策はもはやインフレ率上昇に寄与できないと考える傾向がある。

中長期的には必ず成立している貨幣数量理論
確かに、最近の日本における通貨供給量とインフレ率の関係を見ると、通貨供給量の増加がインフレ率上昇に波及するタイムラグを想定してもその相関性は必ずしも高くない。これはアメリカの場合にも該当するように見える(ただし2011年以降は、FRBによる量的緩和(QE2)による通貨供給量の拡大と共にインフレ率の上昇が見られる)。
だが一方で、国際比較の観点から、景気循環要因を捨象した5~7年程度の中長期的なトレンドで見ると、両者の比例的な関係は概ね成立している。少なくとも、中長期的なトレンドとして資金供給量が増加しているにもかかわらず、一向にインフレ率が上昇しないと言うケースは見られない。

以上、安達誠司「金融政策はストック市場からどのように波及するのか」(『リフレが日本経済を復活させる』第2章)より

どうやら確定的に言えるのは、「中長期的なトレンドとして資金供給量が増加しているにもかかわらず、一向にインフレ率が上昇しないと言うケースは見られない」ということだけのようです。

そりゃあ、こんなにデフレが長く続いているのは資本主義世界の歴史を振り返っても今の日本ぐらいですからねぇ。
ところで、この20年間の日本では「中長期的なトレンドとして資金供給量が増加」していないとでも?

以下、延近充(のぶちかみつる)慶應義塾大学経済学部教授によるリフレ政策の理論的根拠の解説を
http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nobu/column/Abenomics.pdf
こちらから抜粋しました。


このようなリフレ派の経済政策の基礎にある理論的概念は,貨幣数量説と合理的期待形成説にもとづくインフレ期待の 2 つである。

① 貨幣数量説(リフレ派は「貨幣数量理論」と呼ぶ)
貨幣数量説はフィッシャーの貨幣数量方程式にもとづいている。
MV=PQ (M:貨幣数量,V:貨幣の流通速度,P:価格,Q:商品取引量)
この式から,V と Q は完全雇用の下で短期的には所与とすると,P は M に比例する。つまり,金融緩和によって貨幣流通量(マネーサプライ)を増加させれば,価格は上昇する。しかし,ゼロ金利の下では,金融政策の有効性が低下するためにマネタリーベースを増加させてもマネーサプライを増加させることが困難になる(脚注 2)参照)。そこで政策として提起されるのが,「異次元の金融緩和」であり,合理的期待形成説にもとづくインフレ期待をもたらすインフレーション・ターゲッティング政策(以下インフレ・ターゲット政策)である。

② 合理的期待形成とインフレ期待
合理的期待形成説とは,企業や家計が「そのときに入手可能な情報を活用して,最適に将来を予想しながら行動する」という仮説である。現在時点でゼロ金利でデフレ傾向にあれば,実質利子率は高止まりまたは上昇が予想されるが,将来,インフレになることが予想されれば,実質利子率が低下することが期待される。実質利子率の低下は設備投資や個人消費を刺激する。インフレは貨幣現象であるから QE 政策によって実現することができる。したがって,将来のインフレ率の目標を設定し(インフレ・ターゲット政策),その目標が達成されるまでQE 政策を続けることを現時点で確約し(時間軸効果),実際に QE を行なえば,各経済主体は将来のインフレという合理的な期待を形成するので,設備投資や個人消費を刺激して,デフレと経済停滞から脱却できる。つまり,「日本経済を救える」というわけである。

この QE 政策とインフレ・ターゲット政策の組み合わせによる「流動性のワナ」からの脱出というアイデアは,P.クルーグマンが提起したものである5)。彼のモデルは,今期の経済が「流動性のワナ」に陥っていても,次期以降(将来)の経済は「流動性のワナ」から脱出し,貨幣数量説が成立していると仮定されたものである。この仮定の下では,将来マネーサプライが増加するという予想が形成されれば,将来の物価は貨幣数量説によって上昇すると期待されるので,期待インフレ率が上昇し,実質利子率が低下して需要が刺激されることになる。つまり,今期に QE 政策をとってもそれだけでは効果はないが,将来も QE が実行されると企業や個人に期待させることができるようなインフレ・ターゲット政策と組み合わせれば,「流動性のワナ」から脱出し,デフレと経済停滞から脱出できるという論理なのである。

以上です。
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