天皇機関説事件に見る「男系固執派」のルーツ

天皇機関説とは、国家を法人に例えれば天皇はその最高機関である、というもので、国家主権説・立憲君主制と親和性が高く、むしろそれまでの通説だったのですが、突然美濃部がやり玉にあげられました。

美濃部達吉の天皇機関説を痛烈に批判した徳富蘇峰
記者(徳富蘇峰)は未だ美濃部博士の法政に対する著作を読まない。……記者は如何なる意味に於いてするも、天皇機関説の味方ではない。苟も日本の国史の一頁にても読みたらんには、斯かる意見に与することは、絶対に不可能だ。その解釈は姑らく措き、第一天皇機関説などと云う、其の言葉さえも、記者は之を口にすることを、日本臣民として、謹慎すべきものと信じている。』
(美濃部の「一身上の弁明」ののちに各紙が同情的な社説を掲載した事に対する批判として 1935.2.27東京日日新聞)

『四月八日午後二時御召しあり、此日上聞に達したる真崎教育総監の機関説に関する訓示なるものは、朕の同意を得たりしとの意味なりやとの御下問ありしゆえ、断じて左ることなく、全く総監の職責上出したるものなるが事重要なりと認め、報告の意味にて上聞に達したるものなりと奉答す。……1.教育総監の訓示を見るに、
天皇は、国家統治の主体なりと説けり、国家統治の主体と云えば、即ち国家を法人と認めてその国家を組成せる或部分と云うことに帰着す。然らば所謂天皇機関説と用語こそ異なれ、論解の根本に至りては何ら異なるところなし、只機関の文字適当ならず、寧ろ器官の文字近からん乎。……要するに天皇を国家の生命を司る首脳と見、爾他のものを首脳の命ずる処によって行動する手足と看ば、美濃部等の云う根本観念と別に変わりなく、敢えて我が国体に悖るものとも考えられず、只美濃部等の云う詔勅を論評し云云とか、議会は天皇の命と雖、之に従うを要せずとか云うが如き、又機関なる文字そのものが穏当ならざるのみ。……』
(真崎教育総監の機関説に関する訓示についての天皇のご意見/本庄日記より)

つまり、「天皇を機関とは何事か!」というだけのことなのでした。

美濃部たちは憲法・国際法上の天皇を「国家を法人と見なせば天皇はその最高機関」と説明したのに対し、蘇峰たち機関説反対論者は「天皇を機関とは何事か!」というレベルに終始したのです。

たったこれだけのことで美濃部は不敬罪で告発され、その著作は販売禁止にされました。さらに翌年11月には美濃部は右翼に狙撃され重症を負いました。

こうした勢力が1936年の226事件を起こしたのです。左翼がマルクスを盲目的に信仰するように、右翼にもこういう輩が居るのです。

彼らには何か、天皇に関する論争になると「思考停止スイッチ」みたいなものが稼働するのでしょう。自分の頭の中の天皇像を他人に押し付けて、学説を強引に抹殺したのです。何か偏執的な束縛愛、狂信的な片思い、と思えて恐ろしくなります。

その点、無理で意味の無い「男系」を、臣民の分際で皇室に強制して恥じることが無い「男系カルト」も同じなのです。むしろ矛先が妃殿下に向けられている分、末期的悪性腫瘍のごとしです。

日本史上前例のない男子出産圧力を悠仁妃殿下にかけて恥じることが無いのは、つまり雅子様バッシングの犯人は男系派ということなのです。

徹底抗戦を訴えて終戦詔書に背いた将校達による宮城事件、国民的ブームに沸いた今上天皇(当時は皇太子)と平民出身の正田美智子様とのご結婚に猛烈に反対した一部の勢力による騒動もありました。

皇位継承問題は皇室の問題なのですから、誰よりも天皇陛下の大御心が絶対なのです。臣民の分際で「男系でなければならない」などと吠えることは間違いです。歴史は繰り返すと言いますが今の男系派を見ていると本当に皮肉なものです。

「俺は天皇よりも天皇を知っている。たとえ無理で意味が無かろうが天皇は男系を続けてろ。男子を産まない妃殿下はクズだ。」と言うのが男系派です。

男系派が吠えれば吠えるほど悠仁妃殿下への男子出産圧力が増し、それゆえに悠仁妃殿下探しがますます難航し、その当然の帰結として皇室は自然消滅します。

私は彼らを「悪性国民主権症候群」と呼んでいます。彼らの中に「隠れ反天皇サヨク」が紛れ込んでいるとみています。



臣民として皇統論をどういう姿勢で論ずるべきか
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n127976


天皇皇后両陛下、皇太子秋篠宮両殿下の伝統観
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n120238

●天皇陛下のお言葉
『(最初のお孫様の眞子様の次の孫として男子と女子どちらが欲しいかと聞かれて)二番目の孫としてどちらが欲しいかということは考えたことありません。どちらでもよいと思います。』(平成4年12月21日)
『皇位継承の制度にかかわることについては,国会の論議にゆだねるべきであると思いますが,将来の皇室の在り方については,皇太子とそれを支える秋篠宮の考えが尊重されることが重要と思います。二人は長年私と共に過ごしており,私を支えてくれました。天皇の在り方についても十分考えを深めてきていることと期待しています。』(平成21年11月6日)

●皇后陛下のお言葉
『一方で型のみで残った伝統が,社会の進展を阻んだり,伝統という名の下で,古い慣習が人々を苦しめていることもあり,この言葉が安易に使われることは好ましく思いません。』(平成21年4月8日)

●皇太子殿下のお言葉
『将来の皇室の在り方についての私の考えは,前の質問とも関係しますが,その時代時代で新しい風が吹くように,皇室の在り方もその時代時代によって変わってきていると思います。過去から様々なことを学びながら,将来の皇室の在り方を追い求めていきたいと考えています。』(平成22年2月19日)

●秋篠宮殿下のお言葉
『今後の皇室の在り方を考えるときには,何らか,私若しくは皇太子殿下の意見を聞いてもらうことがあって良いと思っております。』(平成23年11月22日)
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アテナイ人諸君、こういう噂を撒きちらした、こういう連中がつまりわたしを訴えている手ごわい連中なのです。
そして、その連中というのは、嫉妬にかられて、中傷のために、諸君をあざむくような話をしていたわけなのであって、かれらのうちには、自分でもすっかりそう信じこんで、それを他人に説いているような者もあるわけなのですが、いずれもみな厄介至極な連中なのです。

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