なんでスイスまで賠償金を受け取ったんでしょうね?



 高山正之『サダム・フセインは偉かった』(新潮文庫)より


 日本虐めに便乗する朝日

 さきの戦争では、日本は米国のほか、欧州のほとんどの国と戦ったことになっている。

 その証拠に戦後、日本から賠償金を取り立てる行列には英、仏、蘭、ソ連のほか枢軸国仲間のイタリアも永世中立国のスイスも並んでいた。スイスは一般的にはウイリアム・テルの国みたいに言われる。しかし実際にはナチの犠牲になったユダヤ人の財産を横領したり、敗戦日本にたかったり、どちらかといえば悪代官ゲスラーに近い素顔を持っている。

 戦争もしないで儲けたスイスはともかく、日本と戦った英仏蘭は「ひどい目にあった」と国際経済学者のジャン・ピエール・レーマンが正直に語っている。
 例えば戦前の英国はインドやビルマを、フランスは仏印を植民地にし、阿片を売り、子供にまで税を課して、その上がりで豊かに暮らしてきた。

 ところがあの戦争で日本にあっさり負け、気がついたら彼らは貧しい欧州の小国に戻っていた。「日本は負けたが、それは米国が勝っただけで、これらの国々は負けて植民地を失い、兵士は捕虜にされた。その屈辱は晴らせなかった。それが戦後の対日観の根底にある」と。だから日本人が焼け跡で立ちつくしている間はまだよかったが、いつの間にか新幹線を走らせ、 ニコンやソニーが売れ始めると、もう腹立たしくなる。

 オランダは腹いせに二度目の賠償を取り、フランスは日本の首相をトランジスタ商人とくさし、元捕虜のピエール・ブールは日本人を猿に擬し、「猿の惑星」を作って侮辱した。あいにく日本人はこういう悪意に鈍感で、この映画は日本で大ヒットし、彼をもっと悔しがらせた。

 広島、長崎で原爆実験もやり、十分に憂さを晴らしたはずの米国も、気がつけば沖縄をただで返還させられ、安全保障はただ乗りされ、おまけに対日貿易赤字がやたら膨らんでいた。

 こたえない日本に、彼らが再び手を組んで苛めを計画した。捕鯨禁止だ。

 米国はメルヴィルの時代から好きに鯨を獲りまくった。彼の「白鯨」にあるように皮下脂肪から取れる鯨油が目的で「オレンジのように鯨を剥き」あとは海に捨てていた。戦後も鯨油は車や飛行機の最高の潤滑油として珍重されたが、対日赤字が問題になってきたころ、鯨油に代わる合成油が誕生した。

 米国の捕鯨は終わった。英仏も状況は同じだが、日本だけは違った。鯨は日本人の文化であり、資源だった。

 70年代末、国際捕鯨委に出た日本は吃驚する。加盟十五ヶ国の会議に、新たに二十四ヶ国もが入ってきた。いずれも鯨とは無縁のケニアやセネガルなど英仏の元植民地と米国の裏庭に住むドミニカ、そしてゲスラー・スイスもいた。おまけにそれらの国の代表には、シドニー・ホルトなど英米の知られた自然保護運動家が座っていた。

 かくて日本苛めの捕鯨禁止が大勢を占め、会議場では日本代表に英仏の運動家がインクをかけたり、唾を吐きかけたり。場外からはポール・マッカートニーが「人間の友、鯨を食う日本人は人肉食い野郎だ」と発言したのもこのころだ。

 日本人が標的だったのは、同じ捕鯨国のノルウェーやエスキモーはこの非難から除外されたことでわかる。

 かくて焼け跡時代も通して日本人のエネルギーだった鯨のベーコンもサラシ鯨も尾の身も、食卓から奪い取られた。すべては感情的な苛めからだった。

 日本人は怒った。珍しく役所も一緒に二十年、この不当な扱いに抵抗した。こういうとき歩調を乱すものが必ず出てくる。このときは朝日新聞だ。「鯨を食わなくてもいいじゃないか。世界を敵にするより鯨を諦めよう」と。別に鯨が食いたくて抗議しているのではない。それを百も承知で、論理を見事にすり替える。

 靖国神社がどうの、A級戦犯がこうのと、中国人や朝鮮人が騒いでいる。

 日本人は、よその国が日本人の心のあり方にまで口を挟んでくることが失礼だといってきた。そうしたらまた朝日がヘンなメモをもとに、「昭和天皇のお言葉」だから分祀しようとか言い出す。

 ここでも論理を見事にすり替える。韓国人スリ団よりたちが悪い。
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No title

仏ならともく英に勝ったのは序盤戦だけ。しかも相手は英印軍が主力の植民地軍ばかり。
欧州戦線や北アフリカ戦線が片付いでから、やっと戦力充足できてからは反攻作戦にやられまくってたのにw

No title

昭和天皇は反米英の脳筋軍人共を嫌ってたのは本当だろ
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ソクラテス太郎

Author:ソクラテス太郎
アテナイ人諸君、こういう噂を撒きちらした、こういう連中がつまりわたしを訴えている手ごわい連中なのです。
そして、その連中というのは、嫉妬にかられて、中傷のために、諸君をあざむくような話をしていたわけなのであって、かれらのうちには、自分でもすっかりそう信じこんで、それを他人に説いているような者もあるわけなのですが、いずれもみな厄介至極な連中なのです。

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