開戦をあおる「敵国の残虐行為の報道」は、まず疑え。



高山正之『スーチー女史は善人か』新潮文庫より

検証されない嘘 

 第一次世界大戦では1,500万人が死んだ。ソンムの戦いでは4カ月間で150万人が戦死した。毎日1万2千人が戦死し、それが120日間も続いたということだ。そんな馬鹿を続けたのは双方が双方とも、これが決定打だと毒ガスやら戦車やらグロテスクな兵器を次々開発しては戦場に持ち込んでいったからだ。その中には誕生間もない飛行機も含まれていた。最初は先を尖らせた鉄棒を空からばらまいた。鉄棒は塹壕に隠れる兵士を串刺しにした。

 しかしこの馬鹿げた戦争に決着を付けたのは戦車でも飛行機でもなく「情報」だった、とアンヌ・モレリは著書『戦争プロパガンダ10の法則』で言う。
 例えばドイツ軍の侵略を受けたベルギーからの生々しいニュースだ。彼らドイツ兵は子供にも残忍な牙を剥き、「子供たちとみれば手首を切り落としていった」と。この情報は中立を保っていた米国の世論を揺るがし、ある富豪は手首を失った子供たちを引き取ると語った。

 英デーリー・メール氏はブリュッセルの郊外でドイツ軍が民家に火をかけ、家族を皆殺しにした事件を詳報した。最期に「死んだ母親に抱かれた赤ん坊にドイツ兵がまさに銃剣を突き立てようとしたときに味方の軍が来て赤ん坊は救われた」と。同紙には多くの読者から赤ん坊を引き取りたいという手紙が殺到した。アレクサンドラ王女からは赤ちゃんに着せてと幼児服が届けられた。

 国際世論がドイツ非難に傾く中でベルギーの病院での出来事が伝えられた。「ドイツ兵は保育器の中の未熟児を取り出し、バトミントンのシャトルのように放り上げては銃剣で突き刺した」。赤ん坊はぼろきれのように殺された、と。フランスのゼンプスト村も酸鼻を極めた。「ドイツ人は村中の女を犯した」。「馬商人のD・トルデンは縛り上げられ、目の前で九歳の長男がナイフで切り刻まれ、13歳の娘も強姦されて殺された」。ドイツ軍は「囚人の死体から潤滑油を取っている」とか、「ドイツ空軍は故意に病院を爆撃した」とか悪行も伝えられた。

 「手首」で揺らいだ米国世論はこうした続報で完全に風向きが変わり、参戦に踏み切る。そしてそれが大戦を終結させた。

 戦後、米富豪の思いを込めた調査が行われたが、手首を切り落とされた「子供たち」はとうとう1人も見つからなかった。デーリー・メール紙の記事も実は創作だったと、記者本人がのちにニューヨーク・タイムズ紙に告白している。保育器の赤ちゃんを放り上げて銃剣で殺した事件も調査されたが、どの産院でもそんな事実はなかった。仏ゼンプスト村の強姦騒ぎでは村役人がそんな事件は無かった、だいたいトルデンという人物もいなかったと証言した。

 つまり、堂々たる嘘が国際社会をまかり通り、それで米国の参戦という歴史的変革が生み出されたわけだ。誰がでっち上げたかはそれで得をした米英仏に聞けば分かる。

 面白いのはこの創作話がその後も場所を変えて使われていることだ。

 そのほぼすべてが網羅されているのが江沢民の抗日記念館だ。「日本兵が赤ん坊を放り上げて銃剣で刺し殺した」インチキ写真や記述がある。アサヒグラフに載った中国女性たちを護衛する日の丸村の写真に「日軍に拉致され強姦され殺された中国人女性たち」とキャプションをつけている。あるいは朝日新聞からの出典で農家から買ったニワトリを抱える日本兵の写真に 「略奪の現場」としたり。米国も中国にならって映画「パール・ハーバー」で日本軍機が病院を爆撃したことにしている。

 最近では湾岸戦争の折にイラク兵が保育器の赤ちゃん殺しをやったと報じられた。コソボではセルビア兵が集団強姦をやったと。

 後者の2例については米議会や国連でもまことしやかに語られたが、後の検証でいずれも偽情報とされた。

 ところが日本軍についての事案は一切の検証は行われていない。ただ、江沢民がやったやったと囃し、政治家も歴史学者も誰もがこの残虐な例を検証することなく、事実と決め込んでしまった。

 で、朝日新聞に頼みがある。せめて江沢民が使っている朝日新聞やアサヒグラフの写真だけでも訂正させたらどうか。中国人も朝日が言えばそこは嘘つき同士、心が通じるかもしれない。

抜粋終わり


このようなことはシナ事変当時も日本に対して行われていました。
「私はアメリカの世論を操るために(中国政府に)雇われたのだ。」
国民党中央宣伝部顧問 ティンパーリーの『WHAT WAR MEANS』

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