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篠田治策『北支事変と陸戦法規』 の「犯罪者を処罰するには必ず軍事裁判」について

而して此等の犯罪者を処罰するには必ず軍事裁判に附して其の判決に依らざるべからず。何となれば、殺伐なる戦地に於いては動もすれば人命を軽んじ、惹いて良民に冤罪を蒙らしむることあるが為めである。軍律の適用は峻厳なるを以て、一面にては特に誤判無きを期せねばならぬ。而して其の裁判機関は軍司令官の臨時に任命する判士を以て組織する軍事法廷にて可なりである。』
「外交時報」 84巻通巻788号 昭和12年10月1日P54-P55


これは、篠田治策『北支事変と陸戦法規』からの引用です。

虐殺派はこの一節をつかって、幕府山事件は不法殺害だ、と言うのがいつもの習わしですが、立氏と篠田氏の見解を比較して、以下のとおり分析してみました。


***

立作太郎『戦時国際法論』1938年?

①凡そ戦時重罪人は、軍事裁判所又は其他の交戦国の任意に定むる裁判所に於て審問すべきものである。
②然れども全然審問を行はずして処罰を為すことは、現時の国際慣習法規上禁ぜらるる所と認めねばならぬ。
』※丸数字を加えました。

①も②も「審問しろよ」って意味なのに、なぜ「然れども」という逆接の接続詞が使われているのでしょうか?
これは、②は国際慣習法を説明しているのに対し、①は自身の見解(学説)を説明しているからです。

ですから、篠田氏の見解(学説)と比較するのは①が適切ですね。

篠田氏は「必ず軍事裁判」と述べており例外など全く想定していない書きぶりです。
一方、立氏は「およそ…審問すべき」と例外も想定していることがうかがえます。

どちらが正しいかはひとまず置いといて、「現実として能力的に不可能」(原剛)なことを法(学説ですけどね)が要求することは適切でしょうか?「どうせだれも守れない法律なんて破っちゃえば良いじゃん」てことになりはしないでしょうか?そうなれば守れるときにも守らなくなる、そんな懸念は生じませんか?

立法者にとって「履行不能な法」は大失態だと言えます。日本の国会でそんな法律を作ったら「こんなの守れるわけねぇじゃん」と大批判を浴びることでしょう。

「現実として能力的に不可能」な事態について想定していないのは法学者としての失態です。幕府山の一件は、局所的に想定外の「不可能な状況」が発生したわけで、篠田氏は批判は浴びないでしょうが、もし仮に篠田氏の学説に従ったがために優勢だった自軍が国際法を守らない敵軍に殲滅されたとなったら篠田氏は何と言うでしょうか。旅順要塞攻略から203高地攻略に作戦変更した乃木将軍の心境とでもいうべきか。

仮に篠田氏が「幕府山でも軍事裁判しなければならない」と天国で言ったとしても、あくまで「篠田説」違反、つまり「多数ある内の一つの学説」違反にすぎません。しかも「現実として能力的に不可能」ですから情状酌量で不問でしょう。決して国際慣習法に違反したことにはなりません。

(付け加えると、篠田氏は冒頭の論説を、占領地住民に対する軍律適用に関する注意、として論述しておられます。つまり、幕府山事件のように捕らえた者が敵兵士であることが明白なケースについては想定外と解するべきです。)

一方、「立説」は「およそ…審問すべき」としており、「現実として能力的に不可能」だった幕府山事件はセーフと判定されることでしょう。

この点を踏まえてどう判断するかですが、どうしても不法殺害にしたい「虐殺派」でなければ、幕府山事件に関しては「立説」が妥当だと考えるのが当然でしょう。

では国際慣習法はどうでしょうか?

国際慣習法というのは、諸国がルールとして遵守し、他国が遵守すると期待することで、不文の法として次第に形成されていくものですが、国際慣習法として成立する前に、諸国の権威ある学者の学説がでてくるわけです。一般的に学説は国際慣習法よりも進んでいるのです。学説の要求が厳しくて諸国が遵守できなければ国際慣習法として成立しませんから。

つまり、②は①よりも要求する水準が低いのです。
国際慣習法では軍律裁判までは必ずしも要求されていない、と見るべきです。

【仮に】国際慣習法の要求する審問はなされなかったとしても、幕府山事件で「現実として能力的に不可能」で審問をしなかったケースが発生したわけですから慣習法としては緩和されていくでしょうね。事実、そうなりました。(立作太郎「戦時国際法論」1944年本格改訂)

慣習法ってそういうものですからね。

あとはこちらの「c.審問は行われたのか?」に書いてある通りです。
【全然】審問しなかった訳ではない、仮に審問しなかったとしても合法、ということです。
http://nomorepropaganda.blog39.fc2.com/blog-entry-871.html

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アテナイ人諸君、こういう噂を撒きちらした、こういう連中がつまりわたしを訴えている手ごわい連中なのです。
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