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「需要を奪い合う自由競争」を捨象した比較優位説の世界は、実は共産主義と同じ

比較優位説を二国二財のケースについて考えてみます。

イギリスとポルトガルにそれぞれ労働者が10人いるとします。
イギリスの労働者1人は一年間で毛織物を10単位、ワインを12単位作れるとします。
ポルトガルの労働者1人は一年間で毛織物を5単位、ワインを10単位作れるとします。

どちらの財もイギリスが「絶対優位」ですが、ワインについては毛織物よりも優位性が小さくなっています。
この場合、ポルトガルのワインが「比較優位」です。

両国が貿易をせずに各国の労働者が二財を分業で生産する場合、一年間の生産量をそれぞれ見ると
      毛織物   ワイン
イギリス  30(3人) 84(7人)
ポルトガル 30(6人) 40(4人)
 合計   60    124
こんな状態で各国が均衡していたとします。

次に、両国が貿易した場合を考えてみます。

イギリスの労働者6人が毛織物、残りの4人がワインを生産し、ポルトガルの労働者10人全員がワインを生産した場合、
      毛織物   ワイン
イギリス  60     48
ポルトガル  0    100
      60    148
このように貿易&分業すれば毛織物は貿易前と同じだけ、ワインは貿易前より多く生産することが出来ます。

これが比較優位説のエッセンスです。

さて、この比較優位説、実は需要面を無視しているのです。

続きます。

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ソクラテス太郎

Author:ソクラテス太郎
アテナイ人諸君、こういう噂を撒きちらした、こういう連中がつまりわたしを訴えている手ごわい連中なのです。
そして、その連中というのは、嫉妬にかられて、中傷のために、諸君をあざむくような話をしていたわけなのであって、かれらのうちには、自分でもすっかりそう信じこんで、それを他人に説いているような者もあるわけなのですが、いずれもみな厄介至極な連中なのです。

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