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“中国の蛮性”をベルギーは再び看破できるか

2014.4.10 11:34 (1/4ページ)[欧州]
ベルギー南部の自然公園で、貸与したパンダを視察する中国の習近平国家主席夫妻。「パンダ外交」は中国の蛮性を包み隠し、勝手に平和的印象を醸成する不気味さを伴う=3月30日(ロイター)
ベルギー南部の自然公園で、貸与したパンダを視察する中国の習近平国家主席夫妻。「パンダ外交」は中国の蛮性を包み隠し、勝手に平和的印象を醸成する不気味さを伴う=3月30日(ロイター)

 《パンダ》の語源は、国際世論の誘導も意味する《プロパガンダ》ではないかとの思い込みを持った。中国の習近平国家主席(60)が欧州歴訪中の3月末、ベルギーで見せつけた《パンダ外交》はそう誤解するに十分不気味だった。事実に基づく情報を源とする“善玉”を《ホワイト・プロパガンダ》、偽情報を潜ませる“悪玉”を《ブラック・プロパガンダ》と呼ぶ分類が、余計に黒白のブチが特徴のパンダを想わせる。日本も経験済みだが、愛くるしいパンダは中国を身近に感じ、平和的印象を勝手に醸成してしまう。しかし、ベルギーはブラック・プロパガンダに惑わされなかった在日特命全権公使アルベール・ダネタン男爵を輩出した国。今一度、パンダの後ろに隠れ、少数民族を虐殺し、自国民の自由を奪う中国の蛮性を看破してもらいたい。人権弾圧に敏感な現代欧州の矜恃が見たい。

ダネタン男爵の慧眼

 ダネタン男爵は1893~1910年の長きにわたり日本に滞在した。その間、日本人の性行・性向を完全に見極め信頼。日清戦争(1894~95年)中、大日本帝國を国際的孤立の危機に追い込むブラック・プロパガンダに惑わされぬ慧眼を備えていた。

 危機は主に、米紙の捏造記事拡散に因った。旅順軍港占領時「帝國陸軍が清帝國の非戦闘員・婦女子・幼児ら6万人を虐殺。逃げられたのは36人のみ」と報じたのだ。帝國陸軍の軍紀を把握する男爵は、旅順の面積や人口に鑑みても、6万人という数字に明らかな胡散臭さを直感したに違いない。調査を始め、本国に報告書を送る。

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日本人小学生の放った言葉に中国人家族が絶句、「われわれの愛国教育は間違っていた!」―中国メディア


Record China 1月13日(月)0時10分配信
日本人小学生の放った言葉に中国人家族が絶句、「われわれの愛国教育は間違っていた!」―中国メディア


2014年1月8日、中国のゆがんだ愛国主義教育が、純粋な子供の心をねじ曲げてしまったことを如実に示すエピソードを、中国人ユーザーが軍事関連ネット掲示板・米尓社区に投稿した。以下はその内容。


日本人男性と結婚した従姉が、夫と彼の親戚の男の子を連れて中国に里帰りした。男の子は俊夫という名の小学校1年生。見知らぬ国で言葉の通じない人々に囲まれて、とても緊張している様子だったが、一生懸命カタコトの中国語で私たちに挨拶し、深々とお辞儀をした。その姿がとても愛らしく、私たちはいっぺんで俊夫のことが大好きになった。

だが、その従姉の一番上の姉の子、小学3年生の鵬鵬(ポンポン)だけは違った。最初から敵意むき出しの顔で俊夫をにらみつけ、こぶしを振り上げると「打倒小日本(ちっぽけな日本をやっつけろ)!」と叫んだのだ。これには俊夫も周りの大人もビックリ。鵬鵬の父親が彼を叱ると、「だって、日本人は中国人の敵じゃないか!学校の先生もそう言ってたもん。パパたちは中国を愛してないんだ!」と言って泣き出した。そこで、「先生が言っているのは歴史だ。今は日本と仲良くしなきゃ。それに俊夫は私たちの大切なお客さんなんだから」と言い聞かせると、「じゃあ、パパやママはなぜ毎日、日本が中国の土地を奪ったから日本製品をボイコットするなんて言ってるんだよ?学校で見せられた教育アニメでも、日本帝国主義を打倒しろって言ってたよ!」と反論した。

幸いなことに、中国語の分からない俊夫に鵬鵬と父親の会話の中身を知られることはなかった。俊夫は本当にいい子で、自分でできることは自分で全部する。礼儀正しく、大人を敬い、食事の際は全員が箸をとり、従姉が日本語で「いただきます」と言ってから、自分の箸をとる。それに比べて、鵬鵬はどうだ。部屋は汚い。自分では何もしない。食事は当然のように自分が好きな料理を一人占めし、彼を溺愛する大人たちもわざわざ好物を取り分けてやる。

私たちは「鵬鵬が俊夫みたいだったらいいのに」と心から思ったものだ。そんな鵬鵬もだんだん俊夫に打ち解け、2人で遊ぶことも多くなった。お互いに日本語や中国を教え合っている姿を見て、「やっぱり、子供は子供同士だ」と安心した。

最後の晩、従姉とその夫は買い物に出かけていて、私たちはみんなでテレビを見ていた。そこへ鵬鵬が得意げな顔で俊夫を連れてきて「俊夫がみんなに言いたいことがあるって」と言った。俊夫は顔を赤くしながら恥ずかしそうにほほ笑んで、たどたどしい中国語でこう言った。

「僕は死んで当然の日本人です。僕は中国人に謝ります」

俊夫のこの言葉にその場の大人たちは全員凍りついた。鵬鵬の父親はすぐさま彼をトイレに引きずって行き、中から「パン!」と引っぱたく大きな音が聞こえた。真相はこうだ。鵬鵬は俊夫に「みんなが喜ぶ言葉がある」とだまして、あの言葉を覚えさせたのだ。

こんな小さな子供がここまで日本を憎むとは、あまりにもおかしい。鵬鵬の愛国観はすでにゆがんでしまっている。善良で純粋で友好的な日本の子供を前にして、中国の子供がどれほど恐ろしい敵意と憎しみを日本に抱いているかを私たちは思い知らされた。中国の愛国教育はもっと客観的で冷静であるべきではないのか。(翻訳・編集/本郷)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140113-00000000-rcdc-cn

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建前「日本とは持久戦だ!」本音「戦争しないのでガタガタ騒ぐな」=環球時報社説の読み方指南

建前「日本とは持久戦だ!」本音「戦争しないのでガタガタ騒ぐな」=環球時報社説の読み方指南
配信日時:2013年12月5日 9時10分 Share (facebook)



先日、ネットで「環球時報は戦争をあおりまくる三流タブロイド紙」的な言葉を目にしました。確かに愛国心を強調する保守系のポジションで固定読者をつかんでいるメディアですが、ただ想像されているほど単純なメディアじゃありません。特に社説の魔球的ロジックはすばらしい。評論文の試験に採用すると誤答が続出することは間違いなし、です。(文:高口康太)

▼問題文

テキストとするのは2013年11月29日付の社説「中国が一流の強国となることを日米は邪魔できない」です。まずは冒頭4段落をお読みください。

中国台頭の戦略環境は深刻に悪化したのだろうか?日米が手を組み中国の更なる発展を抑制、中国のさらなる発展を窒息させるのだろうか?将来起こるであろう不測の事態に耐える力を中国は十分に持っているのだろうか?こうした問題が我々につきまとうが、本当の答えは時間の経過を待つしかないのかもしれない。
だが歴史的な経験と国際政治の基本的なルールは我々に先行きを教えてくれる。一つのきわめて重大な現実は中国はすでに工業文明時代に入ったということだ。中国の工業化の道のりはまだまだ長く、米国とはなお一定の距離がある。ゆえに我々は西側諸国の前で謙虚に振る舞うことを余儀なくされているのだが、しかし一方で言えるのは、人類史上、中国ほど巨大な工業化国家が外部の力に征服されたということはないという事実だ。外部の力で現在の中国を打ち倒す、これは西側にも想像すらできないことである。
もっと重要なことは中国台頭の原動力は一般市民がよりよい生活を送るようになったという点にある。国家による政治設計がもたらしたわけではない。中国の一般市民がよりよい日常生活を送ることが、この国を米国と肩を並べるポジションへと押し上げることになるのだ。その意味で中国台頭とは本当の意味での“人民戦争”である。
中国自身が根本的な問題で過ちを犯さないかぎり、日米は中国抑止に総動員をかける可能性はきわめて小さい。彼らの策略は中国に圧力をかけ影響を及ぼし、中国社会自身が内部から変形するようにしむけ、崩壊に至らせることだけだ。

文章読解とはたんに字面を追うことではありません。文章を読みながら想像力を働かせ、著者が何を言いたいのか想像していく作業でもあります。

というわけで、この冒頭3段落を読んで、この「中国が一流の強国となることを日米は邪魔できない」という文章は何を言いたいのか、予想してみましょう!

▼答え合わせ

「中国は西側に倒されることはないから安心。俺たちは強い!」と回答した方、残念ながら間違いです。「日米は戦争をしかけてこないが、内部崩壊を誘発するような工作をしかけてくるから気をつけろ」と回答した方、惜しい。「中国の工業化は米国にはまだ引き離されている」と答えた方、全然違います。

正解は「言論の自由とやらで中国国内に亀裂が生じるのは勘弁。あと愛国主義は大事」であります。あ、石は投げないでください。

後半のポイント部分を見てみましょう。

中国で意見が多元化するのはきわめて正常だ。多くの口論は科学的決定、社会的共通認識の促進に有利だろう。しかし今、一部の人々はイデオロギーの標榜に熱中している。すべてを欧米化することで中国の主流的価値観と対抗しようとしているのだ。こうしたイデオロギーに基づく対立はさまざまな亀裂をもたらす。議論があればあるほど分岐は多くなる。こうした分裂は日米が望んでいるところであり、彼らが促進しようとしているものでもある。中国の足並みを乱すための近道なのだから。

「中国はインターネット時代の言論の自由を本気で考えなければならない」。この課題に共通認識が生まれることはなく、永遠に問題のままだろう。しかしどのような形で言論の自由を構築したとは言え、社会の分裂と対立を扇動するような言論は好き勝手にネットに流してはならない。これは公の誹謗中傷を禁じる法精神にも背くもので、法によって制裁を加えなければならい。社会道徳規範と人文価値観に背くものは世論と学問の批判を受けなければならない。

愛国主義は中国のさらなる台頭にも欠くことのできないものだ。国家の士気にとって重要な源泉だからというだけではない。重大な時期に社会の亀裂を応急措置するリソースでもあるからだ。愛国主義発揚の社会環境はすでに大きく変化している。これは新たな試練だ。現在、中国国内のインターネットには愛国主義をあしざまにいう異端邪説が流通している。その有害性はきわめて強く重視されなければならない。

▼環球時報社説の罠

面白いのは、単純に冒頭と後半で論旨が違っているという点ではありません。日本を批判するように見える社説でもその真意は国内向けだったりするというクセ球っぷりが面白いのです。

社説は胡錫進(フー・シージン)編集長が書いているのですが、よくあるパターンとして前半は中国の愛国者を満足させ持ち上げるような内容を書き、後半でそうした愛国者にも戒めとなるような言葉を書くというものがあります。これはその典型ですね。他にも「日本との戦いは持久戦になる」―「押したり引いたり外交上の駆け引きがあるんだから、おまえらは戦争しろしろ騒ぐな」とかもありました。

メディアで引用する時にはついつい一番どぎつい部分を引用してしまうわけですが、それだけがすべてだと思うと、「環球時報はおれたちの味方や!」と冒頭だけでからめとられている中国のタカ派な庶民と同じ罠に落ちてしまうのでご注意を。

◆筆者プロフィール:高口康太(たかぐち・こうた)
翻訳家、ライター。豊富な中国経験を活かし、海外の視点ではなく中国の論理を理解した上でその問題点を浮き上がらせることに定評がある。独自の切り口で中国と新興国を読むニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=80040

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尖閣「戦うなら付き合う」 中国軍関係者、衝突辞さぬ構え


2013.12.24 21:30 [尖閣諸島問題]
 中国軍と関係が深いシンクタンク、中国戦略文化促進会の羅援常務副会長は24日、尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐる日本との対立について「最悪の解決方法は軍事的に相まみえることだが、最悪の事態に備えて準備をしなくてはならない」と指摘した。さらに「話し合いに応じれば歓迎だが、戦うのなら付き合ってやる」と述べ、軍事衝突を辞さない姿勢を明確にした。

 羅氏は「最もいい解決方法は(日本に)圧力をかけて話し合いに応じるよう促すことだ」と述べ、軍事圧力などで日本に領土問題の存在を認めさせるべきだとの考えを示した。

 中国共産党機関紙、人民日報のウェブサイト「人民網」が伝えた。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131224/chn13122421310007-n1.htm

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中国、米の“裏庭”で親中派形成 中南米諸国の宇宙開発支援


2013.12.22 22:42 (1/2ページ)[中国]
 【北京=矢板明夫】22日付の中国共産党の機関紙、人民日報など中国主要各紙は、習近平国家主席と反米色の濃いボリビアのモラレス大統領が、「通信衛星の打ち上げ成功」について祝電を交わしたニュースを1面で大きく伝えた。中国から資金と技術支援を受けたボリビアの初の通信衛星は21日未明、中国の西昌衛星発射センターから打ち上げられた。中国は近年、宇宙開発分野で中南米諸国への積極的な協力姿勢を示しており、「米国の“裏庭”で親中派を作ることが目的だ」と指摘する声もある。

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EU崩壊のきっかけは中国から ドイツと中国の危うい蜜月



 23日、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」が発表され、35年の歴史で初めて輸入車が受賞した。独フォルクスワーゲン(VW)の「ゴルフ」だ。国内の登録車に占める輸入車の比率は2013年に過去最高の8%台となる見通しで、なかでもVWはトップシェアを誇る。2位はメルセデス・ベンツ、3位はBMWと、日本におけるドイツ車のシェア拡大の象徴的な出来事となった。

 VWと言えば日本のみならず、中国でも大きなシェアを獲得していることで知られる。2012年に中国で販売された車のうちVWが約15%を占めていた。
 ところが話は自動車だけでは終わらない、今や中国はドイツにとって最大の市場(EU域内を除く)となっているのだ。

 国際ジャーナリスト・木村正人氏は、近著『EU崩壊』の中でドイツと中国の危うい蜜月について次のように解説している。

■人権外交から権益保護へ

 07年、ドイツのメルケル首相はベルリンでダライ・ラマ14世と会談した。すると中国の反発は想像以上に厳しく、機械類や輸送機器の対中輸出が大幅に落ち込んだのだ。

 ゲッティンゲン大学の調査によると、ダライ・ラマが首脳クラスと会談した場合、その国の対中輸出はその後2年にわたって年平均8.1%も減少していたという。

 ドイツに対しても大型契約を遅延させるなどの揺さぶりをかけ、中国が経済関係を外交カードとして使っていることは明らかだった。

 その後中国とドイツの貿易関係は正常に戻ったものの、メルケルの中国に対する姿勢は一変。中国企業の欧州進出に関する軋轢にも弱腰でお茶を濁し、明確な対立を避けるようになった。

 中国側も当時の温家宝首相が、ギリシャやポルトガルが怠惰で放蕩な「キリギリス国家」なら、ドイツと中国は勤勉な「アリ国家」だと共感を示した。

 EU内でイギリスが窓際に追いやられ、フランスの国力が衰える中、中国はドイツに照準を合わせている。メルケルは先端機器に欠かせないレアアース問題やフォルクス・ワーゲンなど中国に進出するドイツ企業の権益保護のため、単独で中国と交渉する必要に迫られている。

■中国重視の姿勢がEU崩壊の引き金に

 欧州のシンクタンクECFRの報告書ではEUの対中輸出の半分近くをドイツが占め、輸入でも4分の1近くに及ぶ。

 2012年メルケル首相の訪中は3度に及び、財界人や閣僚を連れて何度も「合同閣議」を開いている。停滞する米中の経済対話に取って代わるつもりだろう。

 ナチス時代の負い目から外交舞台では控えめに振舞ってきたドイツが、成果を期待できないEUの共通外交に業を煮やして、単独で動き始めているのだ。

 欧州経済の原動力であるドイツが、貿易相手としてフランスより中国を重視するようになれば、ドイツがEUやユーロ圏を牽引するメリットはどんどん小さくなる。

 ECFRの報告書は、こうしたドイツと中国の関係の危険性を指摘し、「ドイツを欧州にとどめておくためには、EUは早急に有効な対中戦略を実行すべきだ」と提言する。

 またゴールドマン・サックスのオニール会長は相互間の貿易が縮小にあるEUの国同士の通貨連合に疑問を呈し、「ドイツが20年までに通貨同盟を組むとすれば、フランスではなく中国との方が合理的だ」と指摘する。

 ドイツ経済のエンジンが減速する時、EUに本当の危機が訪れるにちがいない。それを支えているのは、皮肉にもEU分断を狙う中国なのである。
http://www.gruri.jp/topics/13/11271130/

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山水画とは~まわりはみんな敵だと考える中国人の理想郷




岡田英弘著『この厄介な国、中国』(WAC BUNKO)より


中国文化の産物の中には、日本人が親近感を持っているものが数多くあるが、その中でも山水画は最右翼と言っていいだろう。山水画に描かれた風景を見て、その美しさに心を動かされる日本人は多い。しかし、あの山水画は、実は単純な写実画ではない。

単に風景を描いたように見えるこの山水画には、よく見ると必ず小さく家が描かれている。峨々たる山がそびえ、誰も訪ねてきそうもないようなところに、ポツンと建っている家に一人で居るとなると、日本人にしてみれば、寂しくて仕方がないと思うことだろう。ところが、中国人にとってはそのような場所こそが理想郷なのである。

なぜならば、そこには他人が居ないからである。まわりに他の中国人が居ない絶対の孤独の中でだけ、中国人は安心して人間らしい生活を送れる。つまり、これが彼らの深層心理を形成しているものの正体であり、この山水画とは中国人の理想郷である仙境を描いたものに他ならない。

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朝貢とは何か~中国人の内ゲバ防止に役立つ外国人




岡田英弘著『この厄介な国、中国』(WAC BUNKO)より


そもそも、中国では人間関係は常に流動的であり、絶えずそのメンバーは抗争を続けている。どんな最高権力者であっても、信頼できるのは自分の身内くらいしかいないのである。(そうはいっても、前述の通り、妻も本当のところは信頼できないのだが--)。

だから、中国における最高権力者の政権基盤というのは、案外脆弱なものである。合従連衡の微妙なバランスの上に成り立っている。そこで最高権力者がしばしば用いたのが、外交なのである。
つまり、内部からのサポートは期待できないから、利害関係のない外部からのモラル・サポート(精神的援助)を得ようというわけである。

中国人というのは、あれだけ内部で抗争を繰り広げているのに、外部からの声には意外に弱い。というより、内部の声だけでは収拾がつかないので、外部の手助けを求めているというのが実態に近いかもしれない。

中国人の面白いのは、中国人だけの学会や会議で会っても、必ず一人は外国人を出席させる。それは何故かと言えば、中国人だけで話し合っていては、みんなが自分の利害に従って勝手な主張を始めるため、会議の席順一つ決まらないからである。

『醜い中国人』を書いたポーヤンは、日本人と中国人を比較して、次のように書いている。

「日本人は、一人づつ見ると、まるで一匹のブタのようだ。しかし、三人の日本人が一緒になると、まさに一匹の竜になる。日本人の団結精神が、日本を向かうところ敵無しにした。戦争をしたら、中国人は日本人に勝てない。商売をしても、日本人には勝てない。(中略)
中国人は、一人づつ見ると、一匹の竜のようだ。中国人は一人なら、その場所が、研究室にしろ、試験場にしろ、とにかく人間関係を必要としない状況ならば、非常にすばらしい仕事をすることができる。しかし、三人の中国人が一緒になると、つまり三匹の竜が一緒になると、たちまち一匹の豚、いや一匹の虫、いや一匹の虫にさえも及ばなくなる。なぜなら中国人の最も得意なのは、派閥争いと内ゲバだから……」

まさにこの通りで、会議の席順を決めるのでさえ、中国人が三人集まれば、それを内ゲバの材料にしてしまう。そこで、外国人にお出まし頂いて、裁定を下してもらう。そうすると、それまで罵り合いをしていた中国人が、実におとなしくそれに従うのである。

この中国人の性質を最大限に利用したのが、歴代皇帝が行った朝貢使節の謁見である。つまり、国内だけではまとまらないから、皇帝は外国人を味方に付けたがる。そうすると、家臣たちは「ハハーッ」とかしこまるのである。朝貢は、従来、中国の「属国」がその服従を誓うために行うものと説明されてきた。しかし、それは見当違いである。

そもそも、諸外国が中国皇帝に朝貢するのは自らの意思ではない。皇帝の出先機関が、ひとつ朝貢してくれませんかと頼み込むからである。だから、朝貢使節団の滞在費は全て皇帝の出費となる。

第一、朝貢というのは外交関係とは異質なもので、皇帝と外国の代表者の間の単なる個人的な関係の表現にすぎない。だからこそ、国の代表者が代替わりするごとに、「私の代になりましても、友好を継続いたしたいと存じます」と言って、その関係を更新する必要があった。国と国との関係ならば、一度友好関係を結べば更新の必要などないはずである。

だから、朝貢はあくまでも皇帝個人のために行われていたものである。

朝貢の使節が中国の都に入城するとなると中国兵が前後を護衛し、楽隊も賑やかに都大路を練り歩く。そうやって一大ページェントを繰り広げることによって、黒山の見物人に、皇帝の徳がいかに遠方にまで及んでいるかを印象づけるのである。

朝貢の「朝」とは朝廷で朝礼に出席すること。「貢」とは手土産を持っていくことを意味している。だが、その手土産は目立つもの、つまり特産品であれば、ほとんど価値の無いようなものでもかまわなかった。また、朝貢は外国使節に限った言葉ではなく、地方長官が皇帝に謁見するのも、朝貢と呼ばれた。

朝貢は言ってみれば「なれあい」であって、「お前たち中国人はどう思っているか知らないけれど、外国人はわしを最高権力者と認めておるんだぞ」ということを知らしめるための、国内向けの宣伝としてわざわざ演出されたものだった。だから、これを外交と考えてはいけない。

この伝統は言うまでもなく、今日の中国に受け継がれている。その端的な例が、鄧小平が権力を回復するためにアメリカとの関係をフルに利用した事実である。

現在でも中国政府は、「偉大的領袖」に敬意を表しに来てくれる人々には最大限のもてなしをしてくれる。飛行機代は払ってくれるし、ホテル代も出してくれる。もちろんご馳走もしてくれる。そのうえ、日当までくれる。つまりこれが、中国の人民に対して、彼らの指導者の権威を証明してくれるお礼である。

つまり、皇帝にせよ北京の共産党政権にせよ、それほどまでに、絶えず外国からの承認があるということを、庶民に宣伝しつづけなければならない宿命にあるわけである。


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言質を取られたら終わり~「言語の自由」なき中国社会




岡田英弘著『この厄介な国、中国』(WAC BUNKO)より


中国人のしたたかな所は、決して人間の内面にまで踏み込まないところである。いくら洗脳したところで、本当にその人間が洗脳されたのかどうかは、当人以外はわからない。だから、そんなあやふやなことに頼るようでは、中国人として生き残れない。

そこで、「唯一、信用できるのは言葉だ」ということになる。

たとえば、

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中越戦争の本当の理由~鄧小平の権力闘争




岡田英弘著『この厄介な国、中国』(WAC BUNKO)より

中越戦争は国際関係論の常識からすれば、確かに説明のつかないことである。ベトナム戦争において、中国は北ベトナムを支援した。そして、その後に成立したベトナム社会主義共和国とも中国は友好関係にあった。攻め込まれたベトナムにとっても、中国にとっても、この戦争は何の意味もない戦いだった。

だが、この中越戦争によって得をする人物が一人いた。それは、

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中国人の行動原理「指桑罵槐」と、反日中国のきっかけ




岡田英弘著『この厄介な国、中国』(WAC BUNKO)より

中国人の行動原理を表すものに、「指桑罵槐」ということわざがある。桑は畑に植えられる木で、葉は蚕のエサになるが、槐は街路樹や植木として植えられ、家具を作る際の材料となる喬木であって、似ても似つかない。つまり「桑の木を指して槐を罵る」というのは、「本当の怒りの対象とは全然別のものを攻撃する」という意味である。「ニワトリを指して犬を罵る」と言っても意味は同じである。

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プロフィール

ソクラテス太郎

Author:ソクラテス太郎
アテナイ人諸君、こういう噂を撒きちらした、こういう連中がつまりわたしを訴えている手ごわい連中なのです。
そして、その連中というのは、嫉妬にかられて、中傷のために、諸君をあざむくような話をしていたわけなのであって、かれらのうちには、自分でもすっかりそう信じこんで、それを他人に説いているような者もあるわけなのですが、いずれもみな厄介至極な連中なのです。

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